古道の整備

鬼越古道復活プロジェクトが始動しました

古道の整備

ここ岩波に越してきたときから気になっていたのが、家の目の前にあって陽射しを遮る杉の放置林。60年も手付かずでしたから、一本一本がデカい。冬になって陽が傾くと、家のなかは昼間なのに真っ暗。このままだと鬱になると思い、地権者に掛け合って定期的に間伐をおこなうようになったのが、後に県の助成を受けて推進することになる「鬼越の森再生プロジェクト」(通称オニモリ)の始まりでした。

このオニモリの活動の過程で、我が家の敷地の東側に古い生活道路が走っていることが分かりました。鬼越古道と呼ばれるこの道は、古くは最上三十三観音の六番(曹洞宗 清水山 耕龍寺)と七番(天台宗 新福山 石行寺)や、平清水焼と岩波焼の窯場を繋ぐルートであるとともに、30年ほど前までは幼稚園児たちの遠足道でもありました。

オニモリの一環としてこの古道の一部を整備したことがキッカケとなり、「森だけでなく、古道も復活させてみたらどうか」という声が近隣住民から上がるようになりました。人から期待されると黙ってられない僕は早速、妻が見つけてきた民間の助成金に応募しました。地域住民にとって良いこと尽くめのこのプロポーザルは当然のごとく採択され、令和5年4月から、正式に活動開始となりました。

文化財コンサルの友人による調査や、地元民の証言などをもとに、消えかかっていた古道ルートが次第にその姿を見せ始めています。古道脇にはオオサンショウウオが棲む湧水やカタクリの群生地などもあり、ワクワクドキドキのトレッキングルートになることは間違いありません。この活動をとおして、自分たちが暮らす土地の豊かさを改めて痛感しています。

毎年ゴールデンウィークにはこの古道の残っている部分を散策しにやってくる団体などもあり、今では少なからずファンがいるこの古道を復活させ、守っていくことに少しずつ使命感を感じるようになってきました。最初は僕の単なる思いつきのような形で始まったこのプロジェクトも、岩波と平清水の住民たちから大きな大きな支援を得られることになりました。僕が何も言わずとも、プロジェクトはどんどん進んでいきます。地域住民の方々の静かな熱狂を確かに感じています。

山形の皆さんは心の奥底には熱いものを秘めていながらも、表面的には至って穏やかであるため、ともすれば「冷たい」「そっけない」とさえ受け取られかねないような人たちが多いような印象を受けます。ところが今回、トリックスターのような僕が火付け役になれたのか、みなさんの心のなかにある種火に引火し、大きな炎となりました。協力者のみなさんがそれぞれに動いてくださるので、不安も問題もあっという間に解決していきます。まだ始まったばかりの活動ですが、すでにドラマチックな出来事の連続で、ワクワクドキドキが止まりません。

協力者は常に募集中です。岩波を、平清水を活き活きとした楽しい場所にしていきましょう。

ちなみに現在募集中なのは、以下のような人たちです。どうぞ宜しくお願いします。

  1. 昔この古道を歩いたことがある、もしくは家族から話を聞いたことがあり、それについてインタビューでお話いただける方
  2. 調査の一部始終を無償で撮影・編集してくださる映像の専門家もしくは映像制作を専門に勉強している学生さん
  3. 道の整備(橋や遊歩道作り)を無償で手伝ってくださる大工さん
  4. 何はともあれとりあえず参加してみたい方

コメント

タイトルとURLをコピーしました